2017 October

 

   
 
 
いよいよ個展まで1ヵ月となり焦る気持ちを抑え、順を追って準備にいそしむ。 打ち合わせが終ったカフェでもひたすら書類に目を通し、作成したリス トを一 つずつクリアして行く・・・。

 

 

   
 
 
アトリエに篭ってひたすらコツコツ・・・が得意な私も、途方もなくやるべき事 が山積しているとさすがに気が遠くなる。幼少期からの膨大な作品、パ リに 渡って30年の軌跡・・・。全てにおいて「順を追って整理する」が今やるべき 事、一つ一つの作品を作った頃を思い出すと熱い気持ちが蘇る。 整然と整理されたアトリエでひたすら準備する・・・私らしい時間でもある。

 

 

 
 
 
すっかり日本通のイタリア人のB教授、問屋街に行ってみたいというリクエスト に応えて浅草橋にご一緒する。母の仕事であった「押し絵」の材料や什 器を揃 えに来た懐かしい街、祖母が唄いのお稽古で柳橋に行く日の楽しみだったお土 産、逸品会にもご案内。昔ながらの「紐屋」さんなど、東京の真ん 中とは思え ない職人的なお店がまだ残っていることにご案内しながらも感動する。

 

 

 
 
 
幼少期から現在までの「クリエイションの軌跡」を展示する今回の個展、膨大な 作品はもちろん大変な数の写真。展示する写真を選ぶにもまずその「整 理のシ ステム」を構築することが先決、アーティストを職業にしている方は誰しもこの 種の悩みを抱えているとは思うけれど・・・。整然と整った父の 資料棚を思い 出しつつ、私らしい「オリジナルな整理術」を編み出す良い機会なのかも知れな い。

 

 

 
 
 
パリから仲良しのR氏が来訪、本来ならさまざまにご案内して差し上げるところ だけれど既に東京は熟知している上、個展の準備でいっぱいいっぱ い・・・。 とりあえずお気に入りの「YAKITORI」をご一緒して食後のお茶を我が家 で。祖母や母が残してくれた漆器に季節の和菓子、そして彼 らの大好きな梅酒 を食後酒に。こんなに喜んで下さったらお招きした甲斐もあると言うもの・・・。

 

 

   
 
 
前回、彼らが泊まっていた時はまだ出来上がっていなかった私のアトリエ。パリ の我が家も良くご存知なので「何だか双子みたい!」と。個展の準備で 整然と 作品が並ぶアトリエの棚、「コレがZENなのね」と感激して下さるけれ ど・・・ZEN?=禅、はフランス人の大好きなボキャブラリー。

 

 

 
 
 
個展に展示する作品も決定し撮影に入る。ジュエリーと違ってさまざまな材質と 大きさ、光の具合もセッティングも微妙でなかなか進まない・・・。そ して、 作った頃の懐かしい思い出が去来して眩しいような新鮮な気持ちになる。

 

 

 
 
 
アトリエから一歩も出ない生活が続き、実はそれはそれで楽しい私も・・・さす がに外に出たい!久しぶりの軽井沢、今回は中軽井沢で建築見学のため 軽井沢 で信濃鉄道に乗り換える。子供の時はあさま新幹線がなかったので懐かしい思い 出が蘇る。10月とは思えない夏のような太陽とと山々の緑に すっかり気分も リフレッシュ。

 

 

   
 
 
坂倉準三先生の展覧会、父のレクチャーと飯箸邸の見学会の今日。懐かしい父の 友人の皆様にお会いする。お天気も素晴らしく、久しぶりに大勢の方に お会い してとても嬉しい。

 

 

 
 
いよいよ準備も佳境、作品を決めて什器を決めて・・・。リストを一つクリアす るごとにテーブルを一掃する。作業が終ったら「きちんと片ずいてい る」こと は子供の頃からのアトリエの習慣、手際良くきれいに仕上げるコツのようなもの。

 

 

 
 
 
膨大な数のフェルト細工、子供っぽくならないように「作品」として展示するの はなかなか難しく什器に乗せたり立てたり・・・。ポーチやぬいぐる み、作っ た頃の懐かしい思い出が蘇りなかなか進まない。

 

 

 
 
グルーミーなお天気の中、再び軽井沢へ。吉村順三氏の設計による脇田和美術館 に父のトークショーを聴きに行く。霧にけむる山々、夕暮れに灯りが映 える脇 田先生のアトリエの美しい佇まいに心が洗われるような澄んだ気持ちになる。

 

 

 
 
ギャラリーに最終の打ち合わせに伺う。23年前、まだまだ駆け出しだった私の 作品をお取り扱い頂いた時の店長さんが今も続けて居られることも嬉し く思い 出話も尽きない。インテリアも変わらず、最初の個展の時のディスプレイを思い 出し懐かしい。ギャラリーの方がお声かけして下さってこそアー ティストは発 表のチャンスを頂ける、だからこそ「最初にどなたがお声かけ下さったの か」・・・そんな事を忘れずに居たいもの。今回の個展、私なり のささやかな 恩返しの気持ちをお届けしたい。

 

 

 
 
 
ギャラリーのあるフロムファーストはもはや青山のランドマークのような老舗ビ ル。山下和正氏の設計によるヨーロッパの街並みを思わせる陰影がオー プンし て40年以上経った今も変わらずに美しい。高校生の頃良く母とランチをした懐 かしい「ビストロFIGARO」、パリに憧れていた私はその素 敵な雰囲気に 感激した。パリに30年住んでから伺っても本当にパリのよう、個展の最中はさ まざまな友人達も来るのでディナーのオーガナイスも大切 な準備の一つ、皆さ んが私のジュエリーとビストロのパリっぽさ、トータルで素敵な時間を過ごして 頂ければ・・・。

 

 

 
 
 
ギャラリーの展示方法もようやく決まり、各々の作品のセッティングを決める。 事務所の一階に仮セットを組んで一つ一つ什器を選ぶ。ようやくアイ ディアが 形になってほっとする・・・。

 

 

 
 
私のデザイナーとしての軌跡をクロノロジカルに並べる。私が生まれる時に祖父 が和光でオーダーしてくれた銀のカップ、母が着けていた琥珀のネック レスの 不思議な光、初めて触った真珠の手ざわり・・・。母がどれも大切に保管してお いてくれたからこそ出来る今回の展覧会、天国の母に感謝しつつ 思い出は尽き ない。

 

 

 
 
子供の頃、ニットは全て祖母の手編みで作ってもらっていた。爽やかなレースの ドレス、暖かなボアの靴下・・・子供ながらにその素材の質感を楽しん だ記憶 もあり、編んでいる祖母の横でずっと見ていた子供の頃を思い出す。おばあちゃ まは魔法使いなのかも知れない・・・と思っていた幼い私。

 

 

 
 
ビーズの指輪に始ってネックレスやブレスレットなど次々に作っていた。お人形 のイヤリングはお友達にも大人気で、みんなの分をせっせと作っていた 初等科 の手芸部時代。「まだ持っているわよ」と言う友人から返して頂いた作品もあり 感激する。

 

 

 
 
扱う素材も樹脂や銀など多岐に渡るようになって、「アクセサリーのデザイ ナー」になると具体的に考え始めた初等科の高学年の頃。キティちゃんが流 行 り出して、私オリジナルのキャラクター「KUMO」を発案、ポーチやグッズを 沢山作ってはお友達にあげていた。コレも友人が返して下さったも の・・・本 当に嬉しく貴重な展示品。

 

 

 
 
 
個展の準備も着々と進み、メール配信ではないご案内のお手紙を書く。名簿の整 理も今ではメールアドレスとポスタルアドレス、各々複数個ある方や各 国にご 住所をお持ちの方、そして外国人のお客様。個展のご案内のたびに思うけれど未 だにコレ!と言うシステムにたどり着かないのは皆さん共通のよ う。ひたすら お手紙を書く私・・・。

 

 

 
 
個展が始る前にさまざまな打ち合わせを終らせる。アトリエから出ることがあま りない最近、久しぶりに銀座など・・・、何だかクラクラする。あまり の混雑 に某カードのラウンジに場所を移すもこちらも大混雑、ようやくお菓子を頂いて ほっとする。もう少しお席に余裕が欲しいもの。

 

 

 
 
会場に展示する写真の選別も終わりパネルの制作を開始、パリの丹下健三事務所 で模型を作るアルバイトをしていた頃を思い出す。それにしても膨大な 数の写 真、こちらもクロノロジカルに並べる。素材やブティックの現場写真、初期の作品の写真などもあり まるでアルバムを見ているよう・・・。

 

 

 
 
いよいよ搬入の今日、夜明け前から箱の数の確認や梱包に追われる。形状も大き さもまちまちな細かい展示物は什器とセットにして紙袋へ。個展も回数 を重 ね、搬入は搬出時のことを考えた紛失・破損の無いシステムを自分なりに編み出 して来た。車のトランクもいっぱいいっぱい・・・。ポスターの写 真も仕上 がってようやくギャラリーに出発。

 

 

 
 
diary index 快晴の早朝、まだ青山の街は静まり返っている。フロムファーストビルの搬入口 から次々に展示物を運び込み、ジュエリー用のトルソーもセッティン グ。ポス ターをウィンドウに飾って細かい調整をしているうちにあっという間に日が暮れ る。明日からの個展が盛況でありますように・・・。 page top

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